スロベニア、個人の仮想通貨取引売却益に25%の課税を提案

スロベニア当局は個人の仮想通貨取引売却益に25%の課税を提案

スロベニア当局は、個人の仮想通貨取引による利益を対象とした25%の 課税案 を提出し、法制化されれば2026年に施行することを目指している。

2025年4月17日（木曜日）、スロベニア財務省は、2026年1月1日より、個人の仮想通貨売却益に25%のキャピタルゲイン税を課す案を、公開討論とフィードバックのために提出。この法案は、仮想通貨税制を従来の投資および国際基準と整合させ、同国内の既存税法と整合させることを目指しており、ビットコイン（Bitcoin/BTC）などの仮想通貨売却益に対して課税されることになる。

ブルームバーグ・Law によると、現在同国では、個人投資家は免税となっている一方で、仮想通貨取引による事業所得には課税されている税制の抜け穴があり、居住者が仮想通貨取引に関連する事業所得に対して課税されていた。この新たな仮想通貨税法案は、スロベニア国民の投資所得に対する課税の公平性を高めることを目的としており、仮想通貨売買する人々が享受していた免税措置は撤廃されるとのことだ。

デリバティブ金融商品を対象とした税法改正案

スロベニア当局は提案の中で、「仮想通貨の処分」とは、仮想通貨を法定通貨と交換すること、またはこれらのトークンを商品やサービスと交換することを意味すると明確にしています。

他者への譲渡も対象となるが、これは仮想通貨間の譲渡や自身のウォレットへの譲渡は含まれない。さらに、中央銀行デジタル通貨、電子マネー、セキュリティトークン、NFT（非代替性トークン）は、この新しい課税枠組みの対象外だ。この法案は、EU（欧州連合）のMiCA規則およびOECDのCARF枠組みで導入された定義に準拠している。

さらに、仮想通貨による個人所得への課税提案に加え、スロベニア政府はデリバティブ金融商品を対象とした税法改正案を発表しており、同国財務省は次のように述べている。

この提案により、同一または類似の金融商品からの所得に対する課税を統一し、納税者にとって事務負担を最小限に抑えながら明確な規制を確保することを目指しています。

スロベニアでは、国民は2025年5月5日まで意見を提出できるほか、議会がこの法案を可決した場合、2026年1月1日に発効される。新法では、納税者は詳細な取引記録を保持し、前年度の3月31日までに年次申告書を提出することが義務付けられます。500ユーロを超える暗号資産を取り扱う事業者は、これらの取引を報告する必要があります。なお、当局は、これらの新措置により250万ユーロから2,500万ユーロ（約4億円から40億円）の税収を見込んでいる。