ソラナ、直近一週間で13%急落｜14ヶ月ぶりの安値水準へ

ソラナ（SOL）の価格は9日、直近一週間で13.6%の急落を記録し、14ヶ月ぶりの安値水準である100ドル台へ 後退している 。

トランプ関税政策と技術革新の交錯

ソラナ（SOL） の価格が4月9日時点で107ドル近辺で推移する中、市場はマクロ経済要因と技術的進化の狭間で揺れている。

ソラナ下落の主要因として浮上するのは、トランプ大統領が主張する報復関税政策だ。

同氏は関税が米国経済に有益と強調し、特に中国との貿易緊張をエスカレートさせている。

これがグローバル市場に波及し、暗号資産（仮想通貨）を含むリスク資産全般に圧力をかけている。

また、JPモルガンやゴールドマン・サックスといった大手投資銀行は、新関税体制が米国経済成長見通しに重くのしかかり、リセッション確率を高めると警告。

このような理由も、ソラナを含む アルトコイン への下押し圧力をかける一因である。

ソラナエコシステムの強化

一方で、ソラナはエコシステムの強化を進めている。

特に注目すべきは「Confidential Balances」という機能の導入を発表した点だ。

この機能は、トークン発行者が送金額を秘匿化できるプライバシー強化の仕組みを拡張するもので、10年以上にわたる開発の成果とされている。

2025年4月時点でRustベースの実装が完了する予定とされており、2025年後半にはJavaScriptライブラリやファントムウォレットとの統合が計画されている。

これにより、トランザクション手数料やミント、バーン機能も含めて秘匿性を高めたプラットフォームへと進化する見込みだ。

この技術的進化は、 分散型金融（DeFi） プロジェクトや機関投資家にとってソラナの魅力をさらに高める可能性がある。

ただし、2025年4月9日時点では、価格への直接的なプラス効果は限定的に留まっている。

市場ではトランプ政権下での関税政策への懸念が広がっており、こうしたマクロ経済要因が投資家心理に影響を与え、技術的進歩のポジティブな効果を一部打ち消している状況だ。

【4月9日最新】ソラナ（SOL）価格のテクニカル分析

出典： TradingView SOL/USD 週足 (2023年～現在まで)

ソラナ（SOL）の価格は2024年11月以降、 ビットコイン の強気相場に牽引され一時的な上昇を記録した。

しかし、2025年1月以降は弱気相場の影響を強く受け、下落トレンドに転換。

特に1月下旬から下げ足が加速し、2024年の上昇幅をほぼ帳消しにする展開となっている。

現在の市場心理は冷え込み、テクニカル指標も下落圧力の継続を示唆している。

週足チャートを見ると、ソラナは100週移動平均線を明確に下回り、長期的なサポートを失った状況にある。

この水準は2024年を通じて買い支えとして機能してきたが、2025年に入り取引高が著しく低下する中で下抜けが発生した。

出来高の減少は市場参加者の関心が薄れていることを示し、売り圧力が買い手を上回る価格帯に差し掛かっている。

現在の価格107ドル（4月9日時点）から、次なるサポートとして80ドル付近が視野に入る。

この水準は2024年1月の安値圏と重なり、週足ベースでの底打ち候補として注目される。

しかし、反発の兆候が見られない限り、下落トレンドの継続が基本シナリオとなる。

仮に80ドルを割り込む場合、さらに深い調整として60ドル台への下押しも想定せざるを得ない。

出典： TradingView SOL/USD 日足 (2024年11月～現在まで)

日足チャートでは、2月上旬に短期移動平均線が長期移動平均線を下抜けるデッドクロスが形成され、売り圧力が一段と強まった。

4月6日週の月曜日には3月の安値112ドルを下回り、売りの勢いが加速していることが確認できる。

直近高値123ドルはレジスタンスとして機能しており、この水準を日足実体で明確に上抜けない限り、上昇転換への期待は薄い。

現在の107ドル近辺は心理的節目である100ドルとの攻防ラインに近く、4月8日の反発が112.50ドルで失速した経緯を踏まえると、短期的な下振れリスクが依然として優勢だ。

ソラナ（SOL）相場の展望（要点）

• 下落リスクの継続：週足での100週移動平均線下抜けと日足デッドクロスにより、80ドル付近までの下落シナリオが現実味を帯びている。市場心理の冷え込みと取引高の低迷がこのトレンドを後押しする。
• 100ドル防衛の重要性：現在の107ドル近辺が100ドルの心理的サポートとの綱引きとなる。100ドルを日足実体で割り込めば加速的な売りを誘発する可能性が高く、逆に維持できれば短期的な底打ちの足がかりとなり得る。
• 上昇転換の条件：直近高値123ドルを日足実体で突破し、出来高が伴う場合に初めて強気転換が視野に入る。それまでは下落圧力への警戒が優先される。

免責事項：本記事の価格予測は、入手可能なデータやトレンドに基づいたCrypto News Japan独自の相場分析を示したものであり、投資アドバイスを構成するものではありません。暗号資産は変動が激しく、将来価格の確実な保証はできません。資金の一部または全額を失う可能性があることを理解した上で、必ずご自身の調査およびリスク許容度に基づいて投資判断を行ってください。