IMF国際通貨基金、透明性が閉ざされたエルサルバドルに14億ドルの救済策

IMFがエルサルバドルに14億ドルの救済策

IMF （国際通貨基金）は、三権分立がなく、かつては公開されていた情報の多くを機密または秘密として宣言する規則を課しているエルサルバドルへの14億ドル（約2,088億円）の融資を 承認 した。

IMFは、エルサルバドルに対する拡大信用供与措置（EFF）に基づく新たな40カ月間の取決めを承認した。交渉では、3つの重要な点に焦点が当てられている。これまでIMFは、ビットコインが法定通貨として使用されることに反対の姿勢を維持しており、透明性と汚職撲滅に向けた実際の取り組みの明確な指標を要求。さらに、エルサルバドルにおける法の支配弱体化を指摘した。

IMFによる支援プログラムは、最近の進展を踏まえたマクロ経済の不均衡に対処し、統治と透明性を強化したうえで、同国の成長見通しと回復力を高めることを目指している。準備金を再構築。また、ビットコインの取引・購入への公的部門の関与を制限するなど、ビットコインプロジェクトから生じるリスクにも対処しており、IMF副専務理事兼議長代理のナイジェル・クラーク（Nigel Clarke）氏は声明の中で次のように述べている。

エルサルバドル経済は、送金や観光業の好調、治安状況の大幅な改善を背景に、着実に拡大しており、最近の債務管理措置により、短期的な資金調達の必要性は減少したが、依然として、多額の債務と深刻なマクロ経済不均衡に直面している。拡大基金制度に支えられた当局の経済プログラムは、財政と対外的持続可能性を強化しつつ、より強力で包括的な成長の条件を整えることを目指している。

IMFの声明によると、ブケレ政権以降、同国の透明性システムを解体しているため、14億ドルがどのように計上されるかについて言及されていない。

難関解消には電子ウォレットの解消も視野に

この承認とさまざまなIMFの声明を考慮すると、交渉の難関となっているのはビットコイン（Bitcoin/BTC）で、合意ではビットコインのリスクをより正確に取り上げ、次のように述べている。

このプログラムは、ビットコインの受け入れを任意にし、ビットコイン関連の活動やビットコインの取引および購入への公的部門の関与を制限するなど、ビットコインプロジェクトから生じるリスクにも対処している。公共の仮想通貨電子ウォレットの透明性が強化され、政府は電子ウォレットへの参加を徐々に解消する予定だ。

IMF金にとって、今融資はガバナンスと透明性の向上をもたらすと期待されている。実際、IMFは声明の中で、新しい汚職防止法の制定、会計検査院による政府機関の財務諸表監査とCOVID監査の公表を通じて、初期段階の措置が講じられた事を明らかにしている。