トレーダー、ミームコイン崩壊を受けSOL/ETHの反転に注目

ソラナ（SOL）ネットワークで相次ぐミームコインのスキャンダルによって市場心理が悪化する中、仮想通貨トレーダーはSOLとイーサ（ETH）の比率が反転する可能性に注目している。

radingViewのデータによると、SOL/ETH比率は2月15日に1ETHあたり0.08SOLを超える水準に達したが、その後反転し、2月18日には約0.06SOL/ETHまで下落した。

「ソラナはこれまで『リテール投資家に最適なオンボーディングチェーン』という評価を得ていたが、今や『詐欺的行為やインサイダー取引と関連づけられる存在』に変わってしまった。このイメージを修正するには時間がかかるだろう」と、ベンチャー企業Rollup Venturesの共同創業者であるAndy氏は2月17日にX（旧Twitter）への投稿で述べた。

一方で、「イーサリアムは主流採用に向けて準備が整った。潮目が変わりつつある」とも指摘し、SOL/ETH比率が市場心理の変化を示す指標となると付け加えた。

The SOL-to-ETH ratio. Source: TradingView

ソラナのミームコイン崩壊

TradingViewのデータによると、2023年半ば以降、SOLはETHを大きくアウトパフォームし、この期間にSOL/ETH比率は10倍以上に上昇した。

ソラナの急成長は、主にミームコイン取引によって支えられていた。DefiLlamaのデータによれば、ソラナのブロックチェーンにロックされた総資産（TVL）は、2024年には約14億ドルから90億ドル超へと急増している。

しかし、2月14日、アルゼンチンのミレイ大統領が支持していると見られたミームコイン「Libra（LIBRA）」が、ローンチから数時間以内に約44億ドルの時価総額を喪失した。

その余波で、直近48時間の間にSOLの価格は15%以上下落している。

現在、トレーダーは、この失敗したLIBRAのローンチにソラナの人気アプリケーションであるMeteoraが関与していた可能性に注目している。

2月17日、ベンチャー企業Gm Capitalの投資家であるBeanie氏はXへの投稿で、ソラナ基盤の分散型取引所（DEX）であるMeteoraが「自社トークンをスナイピングしている」と主張した。
スナイピングとは、トークンを早期に購入し、短期間で売却して利益を得る手法を指す。

「信じがたいことだ。なぜなら、このプラットフォームは過去1カ月で3億ドル以上、LIBRAローンチ当日だけで4000万ドルもの手数料を稼いでいる。それでも、こうした行為が実際に行われている」とBeanie氏は投稿した。ただし、コインテレグラフはこの主張を独自に検証していない。

また、匿名トレーダーのRunner XBT氏は2月16日のX投稿で「現在、表面化している問題の多さが、ソラナのエコシステムに深刻なダメージを与えている」と述べている。

静かに進展するイーサリアム

イーサリアムのスポット価格は、2024年3月に「Dencun」アップグレードが実施され、取引手数料が約95%削減されて以来、伸び悩んでいた。

「手数料削減によるボリューム不足が補填されず、投資家の関心が薄れていた」と、資産運用会社ヴァンエックのアナリスト、マシュー・シーゲル氏は2023年9月に指摘していた。

しかし、現在イーサは相対的に強さを見せている。2月には約30%の反発を記録し、2150ドル付近のローカル安値から回復した。

また、Dune Analyticsのデータによると、2024年3月以降、レイヤー2ソリューションがイーサリアムに投稿するデータ量が3倍以上に増加し、メインネットの手数料収益が上昇している。

Blobs posted to Ethereum since the Dencun upgrade. Source: Dune Analytics

イーサリアムはまた、現実世界資産（RWA）やエージェント型人工知能（AI）といった分野での開発活動の活発化による恩恵も受けている。

「AI開発の多くがソラナ上で行われていると考える人が多いが、実際にはETHエコシステムでの開発が進んでいる」と、資産運用会社ビットワイズのリサーチ責任者であるマット・ホーガン氏は2023年12月に語っている。