仮想通貨取引所コインベースは、アルゼンチンの規制当局から正式な承認を受け、同国でのサービス拡大が可能となった。コインベースは2019年からアルゼンチンで事業を展開している。

アルゼンチンの規制承認を取得

1月28日のブログ投稿 によれば、アルゼンチンの国家証券委員会（CNV）は、コインベースに対し仮想資産サービスプロバイダー（VASP）の登録を承認した。これにより、同社はアルゼンチンペソによる決済方法を含む新たなサービス を提供できるようになると発表した。

コインベースは2019年4月にアルゼンチンで仮想通貨間の交換と取引を 開始した 。今回のVASP登録により、同社は現地の法的枠組みのもとで正式に運営し、今後数か月にわたってさらなるサービスを展開していく予定だ。

「違法ではなかったが、ライセンスによりサービスが拡充」

コインベースの広報担当者は「これまでライセンスはなかったが、違法な運営ではなかった」 とコインテレグラフに語った。

「コインベースは、今後これまでできなかった形での運営が可能になる。以前は法的枠組みの中で一部の機能を提供していたが、ライセンスを取得したことで、ペソ建てのより多くの商品を提供できるようになる」

昨年10月には、バイナンスも同様のVASP登録を 取得し 、アルゼンチンの公式仮想通貨サービスプロバイダーとなった。

アルゼンチンにおける仮想通貨教育

コインベースはアルゼンチンでの事業拡大の一環として、仮想通貨リテラシー向上のための教育プログラムも計画している。

コインベースのアメリカ地域ディレクターであるファビオ・プレイン氏は、同社の取り組みについて以下のように述べた。

「この教育イニシアティブは、アルゼンチンの人々が仮想通貨のエコシステムにおける機会と課題を理解し、自信を持って活用できるよう支援するものだ。多くのアルゼンチン人にとって、仮想通貨は単なる投資ではなく、金融の未来を取り戻すための必需品となっている」

アルゼンチンは世界でも最も貧困率の高い国の一つ であり、国民の53%が貧困状態 にある（2023年10月時点、 アルゼンチン・カトリック大学調査 ）。

2023年5月には、アルゼンチン政府がエルサルバドルのビットコイン政策を模倣する可能性について 報道された 。

コインベースによると 、現在アルゼンチンの人口4600万人のうち約500万人が日常的に仮想通貨を利用している。

2024年1月21日に発表された「コインベース・ステート・オブ・クリプト」** の第4四半期レポートによると、アルゼンチンの成人の76%が仮想通貨をインフレや高額な取引コストなどの経済問題の解決策として捉えていることが明らかになった。

さらに、アルゼンチン、ケニア、スイス、フィリピンの4900人の成人を対象とした調査では、アルゼンチンの87%の成人が仮想通貨やブロックチェーン技術がより大きな金融的自由をもたらすと考えている という結果が出た。

2024年10月に発表された チェイナリシスの レポート によると、アルゼンチンはブラジルを抜き、ラテンアメリカで最大の仮想通貨流入国となった。2023年7月から2024年6月の間に910億ドル相当の仮想通貨が流入した。

また、アルゼンチンのステーブルコイン市場は世界有数の規模であり、取引量ベースで見ても主要市場の1つとなっている。

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