米商品先物取引委員会（CFTC）の元委員であるブライアン・クインテン氏が、次期トランプ政権の下でCFTC議長の最有力候補として浮上していると報じられている。

ブルームバーグの 報道 によれば、事情に詳しい関係者が、クインテン氏がこのポジションに向けた面接を受けたと語ったという。

現在、クインテン氏はアンドリーセン・ホロウィッツの仮想通貨部門「a16zクリプト」で政策責任者を務めている。彼は2017年から2021年までCFTCに在籍し、重要な政策イニシアチブの監督を行ってきた経歴を持つ。

CFTCの元委員であるクインテン氏の起用は、CFTCと米証券取引委員会（SEC）の間で長らく続いている仮想通貨の管轄権をめぐる不明確な状況に変化をもたらす可能性がある。

金融業界の「求められる人物」とは？

クインテン氏は、CFTCに共和党指名の委員として過去に勤務しており、デジタル資産業界における金融革新を推進してきた。現在はa16zクリプトで政策責任者を務め、規制の明確化を訴えている。

CFTC在任中には、デジタル資産のデリバティブ（金融派生商品）やイベント契約を連邦機関の通常の枠組みに統合することを支援し、イノベーションの促進と市場の健全性の維持を両立させる方針を打ち出していた。

a16zでは、伝統的金融（TradFi）と仮想通貨規制の双方に精通した経験を生かし、両者を橋渡しする形で、規制の精査と柔軟性のバランスを取るアプローチを推奨している。

クインテン氏のSEC批判

2023年3月、クインテン氏はSECのイーサ（ETH）の証券扱いに関する対応を批判した。彼は、SECが2023年10月にイーサ先物の上場投資信託（ETF）を承認した際に、すでにETHが証券ではないと「明確に認識している」と主張した。

クインテン氏は「もしSECがETHの規制上の扱いについて疑問を抱いていたなら、ETFの承認はなかったはずだ」とし、「もしETHが証券であれば、CFTCが上場する先物契約は違法になる」と述べた。

その後、ETHの現物ETFも承認されただけでなく、12月5日には1日あたりの資金流入額が4億3,150万ドルに達し、過去最大の単日流入額を記録した。

トランプ政権下での仮想通貨の行方

ベンチャーキャピタルのa16zは、次期政権の仮想通貨規制の変化に伴い、「より柔軟に実験する余地が生まれる」と期待を示している。

a16zは、次期政権が「仮想通貨に好意的な政治的姿勢」を取る可能性が高いとし、「これまでの政権下では欠けていたもの」として期待感を示した。

a16zは、仮想通貨業界の最大の投資家の一つであり、メーカー（Maker）、ソラナ（Solana）、アバランチ（Avalanche）、アプトス（Aptos）、アイゲンレイヤー（EigenLayer）、ライド（Lido）、ナンセン（Nansen）、オープンシー（OpenSea）、コインベース（Coinbase）など、数多くのスタートアップ企業に出資してきた。

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