パラオ政府は「ブロックチェーンベースの貯蓄国際プロトタイプシステム」であるパラオインベストを立ち上げた。9月３０日には、パラオの独立記念日に合わせてプロトタイプシステム公開の記念セレモニーが開始され、パラオ大統領、パラオ財務大臣、在パラオ日本大使、内閣官房、ソラミツなどが式典に参加した。

財務省は債券発行基準を最終決定し、政府の承認を得る必要がある。約1万8000人のパラオ市民は、スマートフォンのアプリを通じて財務省から債券を購入できるようになる。パラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領は、立ち上げ式で次のように語った。

「貯蓄国債の取り組みにより、住宅や中小企業の発展、道路、その他の重要なサービスといった主要プロジェクトに、国内から調達した資本で資金を提供できるようになる。これらのプロジェクトはインフラにとって重要であるだけでなく、波及効果も生み出す。」

パラオは現地通貨として米ドルが流通しており、米国の銀行が預金として住民の資金を運用。 ソラミツによると 、その資金の90％はパラオの経済成長やインフラ整備などに利用されず、米国本土で運用されている状況だという。その状況を改善すべく、パラオ財務省は貯蓄国債を発行しパラオ住民の資金を活用し、国家財政の調達方法の多様化を図り、同国の経済成長や橋、道路、公共施設等のインフラ投資に活用したいと計画している。

Schematic of Palau savings bond infrastructure. Source: Soramitsu

東南アジアと南太平洋のシナジー

パラオの債券は、Sora v3ハブチェーンプラットフォーム上のパブリック・パーミッション・ハイパーレッジャー・イロハ2ブロックチェーンで運用される。ソラミツがイロハを開発し、Linux財団のハイパーレッジャープロジェクトに貢献した。同社は依然としてこのブロックチェーンに技術的およびビジネスのサポートを提供している。

ポルカスワップの分散型取引所は、Soraブロックチェーン上で運営されている。

Source: Soramitsu

ソラミツはまた、カンボジアのバコン、ラオスの中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるDLakの概念実証、ソロモン諸島のCBDCであるボコロキャッシュの概念実証にも関与している。

パラオは2021年からリップルと共同で米ドルに連動したステーブルコインを立ち上げるプロジェクトを進めている。このプロジェクトの第1フェーズが2022年末に成功とされた後、1年後に第2フェーズに進んだ。パラオとクリプティックラボは2022年初めにルートネームシステム(RNS)を開発し、同国のデジタル居住プログラムの基盤とした。RNSは、顧客確認(KYC)の検証を伴うブロックチェーンベースのIDを非代替性トークンとして提供する。このプログラムは2022年6月にBNBチェーン上で開始された。

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