分散型オラクルでの競争が激化：2024年にPythが大きく成長、チェーンリンクの牙城を脅かす

チェーンリンクは、分散型オラクルプロバイダーとして長年にわたり市場を支配してきたが、オラクル市場での競争が激化している。

2024年までに、分散型オラクルネットワークであるPythは著しく成長し、9カ月間で総担保価値（TVS）を9840万から47億ドルに46倍 増加させた 。Pythの成長は、リアルタイムデータオラクルとしての競争力を強化していることを示している。

Chart depicting the market share of the top Oracle providers. Source: DefiLlama

チェーンリンク：市場シェアは減少もトップ維持

Pythの急成長でも、9月時点でチェーンリンクは404のチェーンで201億ドルを確保し、46.46％の市場シェアを維持している。しかし、年初の1月1日には48.64％の市場シェアを持っていたことを考えると、若干の減少となっている。

Pythの成長、チェーンリンクの市場シェアの減少、新たなオラクルプロバイダーの参入が、チェーンリンクのかつての独走体制を徐々に侵食している。

Pythネットワークの主要貢献者であるドウロラボの共同創設者兼CEOであるマイケル・ケイヒル氏は「チェーンリンクを含むすべてのオラクルの中で、Pythは総取引量においてリードしている」とコインテレグラフに述べた。

Total transaction volume of crypto derivatives. Source: Pyth Network

チェーンリンクは、オラクルが支えるTVSの観点で貸付プロトコルの世界をリードしているが、Pythネットワークはデリバティブ取引量でのリーダーである。これまでに、Pythはオンチェーンで総取引量8000億ドル以上を確保している

オラクル市場の主要競争者

Pythは著しい成長を遂げたものの、市場シェア10.79％で3位にとどまっている。2位はウィンクリンクで、市場シェア16.47％、TVSは71.3億ドルだ。ウィンクリンクはトロンとBNBスマートチェーン（BSC）の2つのブロックチェーンのみをサポートしているが、トロンエコシステム内で頻発に利用されており、それが大きなTVSにつながっている。

Pythの後ろには、市場シェア9.05％、TVSは39.16億ドルのオラクルプロバイダーであるクロニクルが続いている。クロニクルは2019年5月まで市場を支配していたが、2020年6月にチェーンリンクに首位を奪われてから、そのシェアを徐々に失っていった。

6月3日、バークシャー・ハサウェイ、マクドナルド、ウェルズ・ファーゴなどの株価が技術的な問題によりニューヨーク証券取引所（NYSE）で最大99.9％急落した。この不具合を受け、チェーンリンクの共同創設者兼CEO、セルゲイ・ナザロフ氏は、従来の金融システムの脆弱性を一般の人々に再認識させたと言い、「オラクルネットワークは、正確で改ざん不可能なデータを提供することで、これらのシステムのリスクを軽減できる」と コインテレグラフに語った 。

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