イーサリアム最大のリステーキングプロトコルであるアイゲンレイヤー（EigenLayer）は、EIGENエアドロップをめぐって失望が広がり、13762件の出金リクエストが殺到している。

Duneのデータによると 、大規模な出金リクエストは4月29日から始まり、1日の出金件数が4,336件を超え、4月30日には6,496件にまで増加。5月1日も2931件寄せられている。

アイゲンレイヤーに13000件を超える出金リクエスト｜TVL急落の可能性も image 0 Daily EigenLayer withdrawal queue count. Source: Dune

アイゲンレイヤーは4月29日にEIGENトークンに関するホワイトペーパーを発表したが、その当日を含め3日間で13000件以上の出金リクエストが発生したことになる。米国、カナダ、アフリカやアジアの一部を含むいくつかの地域はエアドロップの対象外とされた。

Duneによると、アイゲンレイヤーの預金者は10万7,000人以上おり、過去3日間の13000件の出金リクエスト　は、預入者の12%がプロトコルから出金しようとしていることを示している。

個々の出金額はまだ追跡できないが、12%のユーザーが出金待ちに入っていることは、アイゲンレイヤーの預け入れ資産総額（TVL）である148億ドルを、130億ドル強まで減少させる可能性がある。

アイゲンレイヤーは7日間の出金処理期間があるため、大量出金の影響は今後数週間で見えるようになるだろう。

政府間ブロックチェーンのエキスパートであり、「NFT: From Zero to Hero」の著者でもあるアンディ・リアン氏は、主要な経済圏がエアドロップから除外されたことで、プロトコルのTVLに影響を及ぼす失望が生まれたと指摘。コインテレグラフに対し、同氏は次のように語った。

「これらの地域からの参加者は、アイゲンレイヤーのTVLに多大な貢献をした可能性がある。特に彼らが資産を積極的にリステーキングしていた場合、除外されたことで全体のTVLの減少につながる可能性がある。」

アイゲンレイヤーに13000件を超える出金リクエスト｜TVL急落の可能性も image 1 Eigenlayer TVL. Source: Dune

エアドロップ・ファーマーが新たなリステーキングプロトコル模索

ディファイラマによると、アイゲンレイヤーのTVLは過去1週間で4%以上下落した一方、KarakのTVLは20.5%上昇して4億3,900万ドルとなり、イーサリアム上で2番目に大きなリステーキングプロトコルとなっている。

この新しいリステーキングプロトコルの急成長は、EIGENエアドロップの失敗劇を受けて、Karakが「次のアイゲンレイヤーになる可能性が高い」という憶測を呼んでいる。

リアン氏は、Karakはより柔軟なリステーキングトークンを提供しながら、ユーザーに技術的な利点も導入していると指摘した。

「Karakは、マルチアセットリステーキングやプラグ アンド プレイの開発環境など、独自の技術的機能を導入している。これらは、より汎用的なリステーキングプラットフォームを求める開発者やユーザーを引き付ける上でKarakに優位性を与える可能性がある。」