現実世界の資産（RWA）のトークン化プロトコルが急成長を遂げている。昨年、このセクターの総ロック価値（TVL）は新たな最高値に達した。

ブロックチェーン分析企業メサーリは 5月1日のX投稿で 、現実世界の資産（RWA）プロトコルのTVLが4月26日時点で約80億ドルに急増したと述べた。メサーリは、RWAプロトコルが過去1年間で「顕著な復活」を遂げたとし、このセクターの成長は「高利回りの債券ベースの投資への市場の選好」によって牽引されたと分析した。

この80億ドルのTVLは、テザー（USDT）やUSDコイン（USDC）などの法定通貨裏付けのステーブルコインを除外し、キャリートレードプロトコル、アンダーライティング、利回りのあるステーブルコイン、商品や証券や不動産のトークン化プロトコルを含むものだ。2月以降、RWAプロトコルのTVLはほぼ60%増加した。

RWAプロトコルの総ロック価値 過去最高の80億ドルに増加＝分析企業メサーリ image 0 RWA protocol TVL has grown 60% since February. Source: Messari

分散型金融分析プラットフォームの DeFiLlama によれば、RWAプロトコルの合計TVLは少し低くく見積もっており、60億ドルとしている。また、2023年初頭からプロトコルTVLが約700%増加したという。

総ロック価値だけが著しい成長を遂げたわけではない。 デューン・アナリティクスのデータ によれば、RWAプロトコルのアクティブユーザー数も2月以降、急増しており、小規模な個人投資家ユーザーの間でセクターの人気が高まっていることを示している。

デジタルカーボン市場プラットフォームのトゥーカン（Toucan）やクリマDAO（KlimaDAO）、不動産トークン化プロトコルのプロピー（Propy）などのプロトコルが、アクティブユーザーの増加において大きな部分を占めている。

RWAプロトコルの総ロック価値 過去最高の80億ドルに増加＝分析企業メサーリ image 1 Carbon markets and real estate have seen the most user growth in the RWA sector: Source: Dune Analytics

また米国における高インフレと高金利環境の中で、トークン化された米国債が大きな成長を遂げている。

RWA.xyz によると、トークン化された米国債には現在、過去最高の12億9000万ドルがロックされており、この数字は2024年初頭から80%増加している。セキュリタイズやオンドなどのプロトコルによって主に牽引されている。ブラックロックが運用するイーサリアムベースの機関投資家向けデジタル流動性ファンド（BUIDL）が世界最大のトークン化ファンドになったことや、フランクリンテンプルトンのオンチェーンマネーファンド（FOBXX）のパフォーマンスが、RWA市場のこの部門の成長に大きく寄与している。