仮想通貨の新規ユーザー 「DeFiやDEXにすぐに飛び込むべきではない」＝セキュリティ専門家

仮想通貨分野でのハッキングが増加しており、新規ユーザーが参入する際の障壁となる可能性はあるが、セキュリティ専門家はリスクを回避する方法があるとしている。

クリプト・ドットコムの1月の市場レポートによると、2023年12月の仮想通貨ユーザー数は約5億8000万人に達した。2023年1月のデータと比較すると、ユーザーベースは34%増加した。

Growth of cryptocurrency users throughout 2023. Source: Crypto.com

新規ユーザーが増える中、コインテレグラフはデジタル資産空間で資金を安全に保つために新規ユーザーが行うべきことについてセキュリティ専門家に意見を求めた。

サイバーセキュリティ会社ハッケンのサービスディレクター、ルチアーノ・シアッタリア氏は、新規のデジタル資産ユーザーは分散型金融（DeFi）や分散型取引所（DEX）を避けるべきだと語った。「DeFiやDEXに急いで飛び込むべきではない。ほとんどの人は、すべての仮想通貨投資で中央集権型の取引所やウォレットを使用しており、それで問題ない」とシアッタリア氏はのべた。

また、資金をカストディアンに預ける際、ユーザーはその信頼性に依存するとシアッタリア氏は付け加えた。このため、新規ユーザーにはセキュリティと資金の可用性の面で良い実績を持つ取引所を選ぶことを勧めた。

セルティックの共同創設者ロンフイ・グー氏も同様の見解を示した。グー氏も、投資に興味はあるがセキュリティを懸念している新規ユーザーは評判の良い取引所やウォレットを使用するべきだと考えている。

「最高レベルのセキュリティを求めるなら、ハードウェアウォレットへの投資を検討してほしい。これらのデバイスはプライベートキーをオフラインで保管し、ネットワーク接続されたハッキングの試みに対して非常に抵抗力がある」とグー氏は語った。

グー氏はまた、投資する前に仮想通貨セキュリティの基本原則を学ぶことも重要だと付け加えた。これには、プライベートキーの安全な保管や強力なパスワードの使用が含まれる。さらに、関連するすべてのアカウントに多要素認証を有効にすることも必要だ。新規の仮想通貨ユーザーはオンラインで個人データを共有する際に警戒し、フィッシング詐欺にも注意すべきだと強調した。

Number of incidents and the amount lost in the first quarter of 2024. Source: CertiK

4月3日、セルティックは2024年第1四半期に合計83件の仮想通貨フィッシング事件があったと 報告した 。グー氏によると、Q1のフィッシング攻撃の巧妙さと成功率は「警戒すべきレベル」に達しているという。

投資プロジェクトについてもセキュリティ監査を受けていることを確認するべきだとシアッタリア氏は強調した。監査済みでアクティブなバグ報奨金プログラムを持つプロジェクトは「ラグプル（資金を持ち逃げ）される可能性が低い」と指摘した。

Statistics on hacked projects and their security audits. Source: Hacken

ハッケンの四半期報告 によると、2024年1月から3月にかけてハッキングされたプロジェクトの56%はセキュリティ監査を受けておらず、これらの企業の脆弱性は未解決のままだった。