利益追求型 ベンチャーキャピタル　アルトコインの持続可能性に悪影響を及ぼす＝アナリスト

利益追求型のベンチャーキャピタル（VC）は、新しく立ち上げられた仮想通貨の長期的な持続可能性と価格に悪影響を及ぼす恐れがある。

仮想通貨アナリストであるルート2 FI氏は、新たな流動性をアルトコインにもたらすものの、VCはトークンに大きな売り圧力をもたらし、長期的な価格形成に影響を与えると 指摘している 。

「パーミッションレスのトークンリスティングと金に飢えたVCは、個々のトークンにとって長期的に悪影響を及ぼす。毎年100の新しいトークンが立ち上げられ、既存のものを希薄化させている。2024年4月現在、アルトコインへの流入はかなり選択的であり、大規模なロック解除を補うには十分ではないようだ」。

現在のトークン立ち上げトレンドの主な問題点の1つは、初期の完全希薄化後時価総額（FDV）が高いことだ。これにより、アーリーアダプターに対して多額のエアドロップ配分を約束するが、早期のVC投資家に対して大規模なロック解除スケジュールが伴う。このメカニズムは、これらの新しいトークンのほとんどの価格低下を引き起こすという。ルート2 FI氏は「私は、多くの新しいVC詐欺コイン（高FDVコイン）が最終的には大幅に価格が下落すると思う。そして、ペアトレーディングやヘッジをしたい場合にこれを利用できるだろう」と言う。

ビットコイン（BTC）を除くアルトコインの時価総額は、記事執筆時点で1兆500億ドルであり、2024年はじめの7600億ドルから年初来で38％ 増加している 。

Total altcoin market capitalization, year-to-date chart. Source: TradingView

大規模なVCのロック解除の問題は、仮想通貨投資家からの需要の不足であり、これがコインの流通供給の大幅な増加と売り圧力をカバーすることができないと、ルート2 FI氏は書いている。

「ある時点で、供給が需要を上回り、大量のインフレーションにより下降スパイラルが始まるだろう。早期購入者が罠にはまり、コミュニティの間で弱気なセンチメントが生まれ、プロトコルのTVLが減少し、開発者（もしいれば）がより良い場所を求めて去り、チームメンバーが辞めることになる」。

アルトシーズンの終わり?

過去の市場サイクルでは、ビットコインが新たな高値に達した後、ビットコインの売却から得られた利益が他の仮想通貨に移されることで、アルトコインが急騰してきた。

Altcoin Hype Cycle. Source: Rekt Capital

しかし、「300以上のまともなプロジェクト」が存在する中で、すべてのトップアルトコインが一緒に上昇するための流動性は十分ではない。これがアルトコインシーズンのトレンドの終わりを意味するかもしれない。ルート2 FI氏は次のように語る。

「アルトシーズンについてよく耳にするが、今回は違うだろう...しかし、これらのトークンを誰が買うのか自問してみてほしい。機関投資家や個人投資家が大量に来ない限り、永遠のPvPの戦いになるだけだ」