仮想通貨への入口として、法定通貨のオン・オフランプが大きな役割を果たしている。メルクリオのエグゼクティブディレクターであるアビエッサ・クー氏はこのように述べている。

ドバイで開催されたToken2049で、クー氏は2017年から2022年にかけて、中央集権型取引所からのオンランプソリューションでの取引高が増加していたとコインテレグラフに語った。

クー氏によると、最近では仮想通貨の取引高がノンカストディアルウォレットに移行しており、ユーザーが資産を購入し保有しているという。

オンランプソリューションは変化を見せているが、クー氏はWeb2のユーザーをWeb3の世界に導くために依然として重要なツールだと考えている。「オンランプはWeb2ユーザーをWeb3に移行させるための最大のゲートウェイであり、非仮想通貨ユーザーをWeb3に橋渡しする」とクー氏はのべた。「法定通貨のオンランプについて言えば、そのインフラは非仮想通貨ネイティブの人々にとっては良いものだ」。

しかし、クー氏は仮想通貨ネイティブのユーザーが、Visaやマスターカードのデビットカードで支払う際の高い手数料のため、オンランプソリューションの使用にあまり興奮していないかもしれないとも認識している。仮想通貨ネイティブのユーザーはピアツーピア(P2P)ソリューションを好むとクー氏は説明した。「多くの仮想通貨ネイティブな人々が、リスクが高いかもしれないがより安価なP2Pやその他のオフラインのオンランプソリューションに向かっている」とクー氏は言う。

仮想通貨業界がより多くのユーザーを引き付けるためにどのような改善をすべきかを質問すると、クー氏はユーザーエクスペリエンスが依然として重要であると話す。「決済インフラの側から来ている私としては、ユーザーエクスペリエンスが非常に重要だと思っている。これは私がこれまで一緒に仕事をしてきたすべてのプロダクトマネージャーが最も関心を持っていることだ」とクー氏はのべた。

クー氏はまた、2017年頃のビットコインウォレットを持つ投資家がパスワードを思い出せなくなったという事例についても触れ、「彼らは非仮想通貨ネイティブなのだ」と説明する。「Web2ユーザーをWeb3に簡単に移行させ、コンバージョン率を高める方法が何かとなれば、UXが最も重要な部分を担っていると確信している」とクー氏は付け加えた。

Token2049イベントでは、チェーンリンクの共同創設者セルゲイ・ナザロフ氏もユーザーエクスペリエンスについて語った。ナザロフ氏は、現在の仮想通貨業界のユーザーエクスペリエンスは「必要な水準にはまだ達していない」と指摘。ナザロフ氏は、仮想通貨がメインストリーム化を達成するためには、使いやすさを改善する必要があると考えている。